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   第21回風庵寄席「全国アマ落語名人会
   2007年5月19日(土) 三重県伊賀市イベントスペース「風庵」
    昼の部 14時開演   夜の部 18時半開演

 三重の南遊亭栄歌さんの企画で、伊賀の「風庵」さんでの落語会にメインで呼ばれるという光栄を受け、行ってまいりました。共演者には社会人落語選手権の覇者やら国文祭の受賞者やら、そうそうたるメンバーが名を連ね、下座も本格的。こんな嬉しい機会は二度と得られないかもしれないと思うほど、中身の濃い、充実した楽しい時間を送ることができました。栄歌さん、風庵小川さんをはじめスタッフの皆さん、共演者のみなさんに心より感謝、感謝です!!
 ↓幹線道路から田んぼ道へ入る入り口にはこんな看板が!

    
イベントスペース「風庵」全景と周りの景色。猿がよく出るんだとか。※風景写真はてい朝さんご提供

【昼の部】14時開演 
 ※高座の写真はスタッフの足代さんによるものです。
 
屋に着いて早々、皆が下座のお稽古。気合充分。二番太鼓は圓九、御免、栄歌のお三人。

「十徳」 隣乃玄張
 
一番手は玄やん。あのキャラは高座に上がっただけでお客様の顔が和む・・・
これは、はっきり言って
努力ではない部分?!天性です(笑)。

「旅行日記」〜紙切り  粗忽家酔書
 
紙切り 粗忽家酔書
 
はじめに一席「旅行日記」をやって、その後紙切りのご披露。落語はともかく、今回は紙切り
を伊賀の皆さんにご披露させていただくのが、私の役目とばかりに、張り切って臨みました。
「藤娘」、「宝船」のあと、御題を頂戴して「牡丹」「五重塔」
(上の写真)「忍者」の三つのご注文。
実は植物はよくでる題であるものの、大の苦手。季節感を表すのでもっと勉強しなくては。
「忍者」では下座のやん愚さん、圓九さん、栄歌さん、御免さんが「仮面の忍者赤影」を演奏し
て下さって会場も盛り上がり、おまけにお客様から「忍者スリッパ」(つま先側、かかと側両方か
ら履ける)まで頂戴してありがたいことです。ところで、「忍者スリッパ」はちとサイズが小さか
ったかな…「両方から履けるスリッパ」は「どちらからも履けないスリッパ」になってしまいました


「崇徳院」千里家圓九
 
昼の部の中トリは圓九さん。その澱みのない口跡といい、表情といい、間といい、さすがアマ落語日本一。
ハイレベルなメンバーの中にあってもさらに安定した高座。隙がないという感じ。客席からお客様の笑い
声が響くたびに楽屋でひとしきり感心していました。ここで、中入り。お客様の満足そうな顔が印象的。


中入り

「九日目」南遊亭栄歌
 
くいつきで登場は栄歌さん。今回の寄席の告知をしたところ、「栄歌さんは出ますか?」との問い合わせが
風庵さんにひっきりなしにあったとか。その実力とキャリアをみれば、お客さんが栄歌さんを目当てにおみえに
なるのもうなづけます。今回のこの演目は珍しいもの。登場人物の業がよく出ていて面白い小品です。中入り
後のお客様をしっかり「笑いモード」に戻して、次にバトンを渡してくれました。


「片棒」粗忽家酔書

 
今回の出演にあたって、いくつかネタの候補をあげて栄歌さんに選んでもらったのがこのネタ。
自分ではこのところの旬のネタなのでリラックスして高座に上がれました。はじめ、『三重のお客
様に自分の江戸落語でウケるのかしら』という心配がありましたが、もうここまでくればひと安心。
ハイレベルな共演者たちによって、客席は十二分に温まって笑いモード。こんなに演りやすく、
気持ちのいい高座はそんなにはないというくらい満足な時間でした。皆さんに感謝しながら昼の
部のトリを務めました。終わりに清水彩月さんのチンドンパフォーマンスのおまけつきで打ち出し。



【夜の部】18時半開演

「子ほめ」千里家やん愚
 
夜の部の開口一番はやん愚さん。昼の部は下座でずっと三味線担当でしたが、ここはお三味線は
圓九さんに
任せての登場。計算されたような?雑談的マクラでお客様を湧かせ、本題へ。愛嬌のある
表情で「子ほめ」を熱演。上方の「子ほめ」を久しぶりに聴きましたが、楽しいですなあ〜。


「真田小僧」粗忽家酔書
 
紙切り 粗忽家酔書
 
昼の部同様に落語を一席して紙切り。昼の部からの通しのお客様が半分いらっしゃるとは知りつつ
マクラで「酔さま」ネタの自己紹介。やっぱりウケはイマイチでした(笑)ハサミ試しで「相合傘」、
リクエストは「大黒様」続いて「相撲」「猿」「芭蕉」。「芭蕉」という声に、『そうだ!伊賀には芭蕉忍
者説があったんだ!』と思い出した次第。そういえば近くの「さるびの温泉」の「さるびの」は芭蕉の
「猿蓑」から来ているとか。もっとリサーチしておけばよかったなあ、と高座の上でいつもの反省。
といっても切らない訳にはいかないので、一生懸命切りました。「芭蕉」だと思って見ることが大事。


「紙入れ」秋風亭てい朝
 
中トリは広島のてい朝さん。実は先週に広島でのてい朝さんの独演会に出させていただいたばかりで、
2週続けて御一緒させていただきました。今回は夜の部の中トリだけの出番で、出番を沢山いただいた
私としては申しわけない限りです。満を持して登場のネタはお得意の「紙入れ」。相変わらずどっしりと
した高座でお客様を自分のペースに。「広島の三浦友和」は風庵でも存在感たっぷりでした。


中入り

「テレショップ・パニック」南遊亭栄歌
 
の部に続いてくいつきは栄歌さん。「テレショップ・パニック」はお客様参加型の落語。どっかん、どっかん、
お客様を湧かせるのを楽屋で聴きながら、『わあ、次はやりにくいなあ』と少々弱気の私。それに比べてお客様は
まちがいなく満足だったことでしょう。 笑い過ぎて疲れた方もいたのでは。 気合を入れ直して最後の高座へ。

「明烏」粗忽家酔書
 
今回のネタ選びでは、これまで上方噺が多い風庵寄席でのネタにかぶらないネタをとのことだったので上方
にはない「明烏」をやらせていただきました。ただ、せっかく生の本格的な下座が控えてらっしゃるのでと、
少々ハメモノも入れました。こんな演出もアマだからできるのかも。必ずしも満足のいく出来ではなかった
ですが、私としては精一杯やってサゲ。お客様や下座に助けられた高座でした。ありがとうございました。

 

 
打ち上げは風庵の居間で、きーさんやスタッフの皆さんの手づくりの自然食と美味しいお酒で一盛り。
今回がはじめての顔合わせで、お互い名前も知らないというスタッフ、お客様同士もまるで随分以前から
の知り合いのように楽しく語らい、飲み交わす。これも風庵のきーさん、お父さん、そして大自然の中の
風庵という空間の持つ懐の深さがそうさせているのではないかと感じました。皆さん本当にありがとう!



翌日の朝、玄関前で



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